西部湯瓜のshow論文

思考のログがメイン。他にも色々。

アニメ『シュタインズ・ゲートゼロ』 レビュー

これまで岡部と牧瀬紅莉栖は、別れる度にキスを交わしていた(『シュタインズ・ゲート』)。この別れ際のキスは、お約束の展開として定着していた。そして、『シュタインズ・ゲートゼロ』第22話では、岡部がアマデウス(=生前の牧瀬紅莉栖を再現したAI)と、またしても最期のお別れをすることになる。かつて『シュタインズ・ゲート』で何度も繰り返したように、アマデウスと岡部が交流した思い出を無かったことにしなければならないという憎い演出。観ていて胸が張り裂けんばかりのシーンだ。しかし、キスシーンが無かった。なんだか背中の痒いところに手が届かないような気分だった。僕はここでもお約束のキスシーンを描いた方が良かったと思っている。もちろんアマデウスはAIなので物理的なキスは不可能。そのためスマホ画面に岡部がキスする様子を描く形になる。当然ながら、男がスマホ画面に口づけするなんて画は、傍から冷静に見れば、目も当てられないほどの際どい行為だろう。しかし、アニメに宿る底知れないパワーを持ってすれば、それをむしろ美しく描くことができたと思うし、さらに言えば、そこにトライしてこそアニメの醍醐味ではないかとも思う。実現していれば、インパクトある名シーンになっただろうに。

あくまでも僕の予想に過ぎないが、制作サイドも一度はキスシーンを検討したんだと思う。乏しい根拠のひとつを挙げると、二人の会話の最後のワンカット。アマデウスの唇のアップが映し出され、暗転するようにシーンが終わる。後はご想像にお任せします的な。

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(画像は、『シュタインズ・ゲートゼロ』第22話「投企のリナシメント」より引用)

 

西部湯瓜Twitter@save_yuri

『ある朝、突然スーパースター』映画レビュー

<ネタバレあり>
 
惜しい映画だった。複数のテイストがごちゃごちゃと混ざっていて、やりたい方向性が定まっておらず、観ていてスッキリしない。ドキュメンタリ風味なリアリティに行く方向性に振り切るか、「世にも奇妙な物語」や「ブラック・ミラー」的な方向性に振り切るか、そこをはっきりさせた方が良かった。せっかく一般人の「有名になりたくない権利」をテーマとしていて、これは社会派の良い映画になる可能性があったのだから。
 
まずは映画の簡単な紹介を。
マルタンという男性がマスコミで寵児になり、TVに出演することに。彼に何が起きたのか。43歳のマルタンはリサイクル会社で働く平凡な男性だが、ある朝通勤電車で大勢の乗客から自分の画像や動画を撮られる。さらに、彼が行く先々でも同様の事態が次々と発生。TV局で働く女性フルールはマルタンに味方すると約束するが、実はマルタンを興味本位で取り上げるつもりだ。大衆のマルタンに対する興味はとどまることを知らず……。(WOWOW公式HPの紹介文より)
 
主人公の一般男性がある朝通勤電車に乗ったら、有名人になってしまう。男性は慎ましい生活をしたいだけなのに有名人となってしまい人生が狂い始める。そんなストーリなのだけど、てっきり原因は一般男性がちょっとした人助けとか善行をして、それがネットに取り上げられバズったのだろうと予想していた。これは現実にも起こり得ること(似たようなケースはすでに日本でも実例があるし)。ところが、そうじゃなくて、原因自体が無かったのだ。始まりは何の前触れもなく急に車内でスーパースターになってしまう。これには面食らった。「世にも奇妙な物語」的な方向性だからだ。ところが、続くエピソードの中で、「有名人になんてなりたくない一般人」の心境・悩みを丁寧に描き出す。観ているこちらは、一般人の「有名になりたくない権利」について深く考えさせられる。そして、主人公のドキュメンタリ番組を作ろうと奔走するテレビ局内の人間ドラマもきちんとしたクオリティ。作者の真摯な眼差しを感じるものだった。これはやっぱり真剣な社会派映画なのか?と、そう思い直した。ところが、有名人となった主人公は、ある日なんの前触れもなく一般のおばさんから攻撃を受ける。それに対して反撃した様子が動画に撮られ、それがネット上で拡散し、主人公はスターから一転、犯罪者のように扱われることになる。このあたりでまた「世にも奇妙な物語」の方に戻ってしまった。リアリティ持って描くなら、あんな些細なことで犯罪者扱いはされない。主人公は、何も被害を受けていない他の一般人から靴は投げられるし、集団リンチでボコボコにされかける。いくら大衆が空気に流されやすいと言っても、さすがに直接的な暴力までは振るわない。それこそ犯罪者になる。なんのために大勢の普通の人がリスクを背負って犯罪行為に走るというのだろう(ネットでの誹謗中傷みたいな本人が犯罪の自覚なく石を投げる行為ならまだ分かるけど)。ここでまた「世にも奇妙な物語」的な方向性に戻ってしまった。しかもサイドストーリーでは、マスコミで働く人たちの恋愛模様も無駄に丁寧に描いている。「食後にデザートは当たり前でしょ」と言うような涼しい顔で。必要性が全く分からない。
 
この映画は、本来きちんと描くべきメインの部分がおざなりで、他のディテールは何故だか、やたら真剣。僕にはそう見えた。テレビ局の奔走ぶりや人間模様を見る限り硬派なドラマの雰囲気なのに、ストーリーの肝心な部分が「世にも奇妙な物語」的。食い合わせが悪いのだ。白ご飯のうえにショートケーキを載せて、かき混ぜたような、そんな映画だった。
 
西部湯瓜Twitter@save_yuri

ちょっと筋トレ始めてみた。

夏のTシャツ姿を見た複数の友人・知人から痩せ過ぎを心配された。たしかになんとなく食事量が減っていたのは自覚していた。だから一時的なものだろうとスルーした。生まれてこの方、ずっと痩せ型の体質だったから、時折、指摘されることはあったし。が、その後も痩せ体型について聞かれることが相次ぎ、さすがに不安になってきた。これも転機かもしれないと思って、改善に乗り出すことにした。
 
やってみたこと
・週2回のペースで筋トレ(ジム通い)
・1回あたりの時間は40分くらい
・食事量を増やす
・筋トレ後にホエイプロテインを飲む
 
特に苦しいのが、プロテイン。毎日飲む方が効くらしいけど、あまりに不味い。匂いに耐えれられない。毎日飲むなんてとても無理だから、ワークアウトで喉をカラカラに乾いた状態にしてから飲むようにしている。砂漠なら、どんな水分も美味しく飲める理論だ。
 
1ヶ月間、取り組んだ結果はこんな感じ。雰囲気が出てきたように思う。beforeの写真を取り忘れたのは痛恨の不覚。

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手応えは掴んだ。今後も筋トレを続けて細マッチョを目指したい。ちなみに理想の身体はネイマール
 
西部湯瓜Twitter@save_yuri

アニメ『シュタインズ・ゲート』レビューその2 岡部倫太郎の名前が好き

岡部倫太郎の名前が好きだ。倫太郎の「倫」の漢字はおそらく倫理の「倫」なのだろう。タイムマシンで過去を改変するなど神に逆らう禁断の行為。倫理を侵してしまった倫太郎の苦悩が込められているのだと思う。そして同時に、「輪廻」という言葉が思い浮かぶ。めまぐるしくループするストーリーのぐるぐる感までもが名前に滲み出ているように感じる。

 

 西部湯瓜Twitter@save_yuri

アニメ『シュタインズ・ゲート』レビューその1 オペレーションスクルドのなぜ?

オペレーションスクルドとは、岡部倫太郎が牧瀬紅莉栖の死を偽装することで観測者・岡部を騙して(=世界を騙して)シュタインズゲート世界線に辿り着く作戦のこと。

このオペレーションスクルドについて解せないことがひとつある。それは天才・牧瀬紅莉栖がいくら頭を振り絞っても閃かなかった方法を、岡部倫太郎が導き出したことだ。いくら26年後とはいえ、天才・牧瀬紅莉栖が自分自身の命を懸けて考えて抜いた結論を岡部がたやすくひっくり返せてしまうのはどうなのか。はて、天才とは何ぞやという話になる。

だけどもし、たとえば牧瀬紅莉栖の死後26年間の間に起きた科学技術の進展がキーになっていたというのであれば、話は通る。牧瀬紅莉栖と岡部に与えられた条件が異なるからだ。

このあたりのロジックは何かしら用意する必要があったと思う。

たとえば、『シュタインズ・ゲートゼロ』で比屋定が遅咲きの才能を開花したという設定にする。そして、かつての牧瀬紅莉栖よりも遥かに賢くなった比屋定が岡部にオペレーションスクルドを伝授するとか。ちょうど、タイムリープ可能な範囲の上限を2週間まで伸ばせたことも遅咲きエピソードの材料のひとつとしつつ。いや、でも比屋定に牧瀬紅莉栖を超えてもらっては困る。牧瀬紅莉栖のキャラ立ちがボケるから。それは分かる。お話を作るのは本当に難しい。

※重箱の隅をつつくようなことを書きましたが、これはシュタインズゲートへの小さな復讐です。何の復讐か。僕の涙腺を無限に崩壊させたことに対する小さな復讐です。

 

西部湯瓜Twitter@save_yuri

メモ魔になれる方法―Evernote「見た夢」タグのすすめ

この記事はEvernoteのヘビーユーザーやメモ魔の人に向けて書いたものではありません。メモを取らない派の人に向けて書いたものでもありません。メモを習慣化したい人や、ついついメモを取り忘れて後悔することの多い人に向けて書きました。
 
メモ魔で知られる前田裕二氏がこんなことを言っています。
 
まずメモで大事なのは、とにかく書くことです。メモとは「ノウハウではなく、姿勢」だと思っています。
 
(NewsPicks 前田裕二1万字インタビュー2017/11/20)
 
この意見には強く同意します。でも僕は、その姿勢でさえ、ノウハウで身につけられると思っています。今からその具体的な方法を紹介します。
 
メモを習慣化する方法とは何か?それは「見た夢」タグの導入です。
 
まずはEvernoteにタグを1つ用意します。タグ名は「見た夢」。そして、朝、起床したら、スマホを手に取り、眠っている間に見た夢の内容をメモします。この際、寝ぼけ眼でもサッとメモを取れるようにFasteverアプリを使うことは言うまでもありません。
 
睡眠中に見た夢の忘却スピードはマッハ的です。スマホ画面で指先を走らせながらも、記憶からディテールが抜け落ちていくことを実感するでしょう。これにより、慌ててメモする姿勢が身体に馴染んできます。
 
メリットはもうひとつ。朝、トイレに行くでもなく水を飲むでもなく、真っ先にFasteverアプリを開くことによって、目覚めた瞬間からその日一日、メモに対する意識スイッチがオンになる効果が期待できます。
 
「メモを癖付けないと!」という漠然とした意志ではなく、Evernoteに「見た夢」タグを作るという具体的なアクションから始めてみることをオススメします。
 
西部湯瓜Twitter: @save_yuri

大学8回生戦略ー人生のモラトリアムを最大限延長し、就活も成功させた男

大学の先輩から実しやかに語り継がれる就活伝説の一つに大学8回生戦略というのがあった(関西では○年生のことを○回生と言う)。かつて大学生という人生のモラトリアム期間を延長したいがために、8回生になるまでキャンパスライフを楽しんだ猛者がいたらしい。8回生というのは、つまり4回も留年を重ねていることを意味する。僕の大学の言えば延長できる限界の数字だ。8回生で卒業がかなわなければ、退学となる。普通に考えれば、就活において圧倒的不利な状況。しかし、伝説の彼は難関とされる大手マスコミの内定をもぎ取ったらしいのだ。ここで強く補足しておきたいのは、彼は俗に言う「英語もできないノースキルの文系」だった点だ。資格も持ち合わせていなければ、華麗なインターン経験があるわけでもなかった。その長過ぎる大学生活で打ち込んだことと言えば、人より多めにバイトして人より多めにお小遣いを稼いだことくらい(なにせ4回も留年するのだから授業は欠席しまくり。時間だけはたっぷり余裕がある)。そして、バイトで稼いだその金で呑み三昧の毎日を過ごしていた。では一体どうやって、8回生という絶望的なピンチをチャンスに変えたのだろうか?もしこれを読んでいるのが就活生だったら、自己アピールのひとつのケーススタディになるかもしれない(かなり特殊なケースではあるけれど)。せっかくなので各自予想を立てたうえで、読み進めてほしい。

準備はよいだろうか?それでは答え合わせといこう。

面接官「あなたの強みを教えてください。そして、その強みをマスコミの仕事にどう役立てますか?」

8回生「私の強みは人的ネットワークです。ですので、取材先探しに役立てられる自信があります。例えば、同級生がみんな卒業してから余分に4年間も大学に残っていたものですから、私の周りは後輩だらけです。そこで優秀な後輩を見つけては、毎日、後輩に奢りまくっていました。あの手この手で恩を着せまくったので、彼らは私の言う事なら何でも聞きます。貴重な情報源になると思います」

面接官「優秀な後輩…?」

8回生「はい、優秀です。彼らの能力は大学の中でトップクラスでした。選りすぐりのエリートなので将来、社会の上層のポジションに行きます。間違いありません。例えば、私より先に卒業した後輩の〇〇は官僚になりました。〇〇省で活躍中です。それから、最近、取材が殺到している若手ベンチャー起業家の〇〇知っていますよね?彼もよく連れ回した後輩です。私なら今すぐにでも独占インタビューできますよ」

かくして内定と相成った。

この就活伝説の真相は分からない。直接、本人に聞いたわけではないので、伝言ゲームで盛りに盛られまくった最終形態なのかもしれない。しかし、逆境をチャンスに変えるという点で学べる要素のある話だと思う。

 

西部湯瓜Twitter@save_yuri

ラ・パウザのドリンクバーの案内ポップがうまい—普通のドリンクバーを魅力的に見せる方法

ラ・パウザに行ったら、頼むつもりのなかったドリンクバーを意気揚々と注文してしまった。といっても、ドリンクバーの内容はどこのファミレスにも置いてある一般的なもの。それが魅力的に見えたのは、テーブルに置かれたこの案内ポップにしてやられたからだ。

 

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目に飛び込んだのは、独自のミックスレシピの提案。それぞれのドリンクは馴染みのあるものだけれど、ミックスした場合の味はまるで未知数。この組み合わせ、本当に合うの?かえって不味くなるんじゃないの?興味をそそられるし、同行者とお互いの予想をぶつけ合える。そして、しまいには、自らの舌で確かめずにはいられなくなる。まんまと企業の手のひらのうえで踊らされてしまった。ミックスレシピに割かれた膨大なスペースに比べたら、「セット料金の安さ」という本来のアピールポイントが控えめなところが憎い。敏腕広告マンの見事な手腕に脱帽です。

 

グノシーのテレビコマーシャルのパターンと同じ。

 

ジャパネットたかたの創業者・髙田明氏のテクニックも同じ。

 「今、物を物として売ったら売れないんです。その物が作り出す結果としてその人の人生をどう変えるかという、そこを伝えることによって、物が物でなくなる。例えばカメラだったら、こんな話をします。

 子供さんが生まれた家庭なら、毎年1枚の写真を撮ってそれを新聞大に伸ばしてください。すると成人の日までに年齢順に20枚の写真が揃います。それを成人の日にプレゼントしたら、最高の贈り物になりませんか。それをつくり出すのがカメラですと。(以下略)」—SAPIO2015年7月号

西部湯瓜Twitter: @save_yuri

『ドキュメンタル シーズン5』感想メモ

これまでドキュメンタルは全シーズン観てきたけれど、そろそろ判定基準を統一した方がいいと思う。番組の流れを作りたいのか、意図的な采配が目につく。贔屓を感じてしまうシーンがいくつもあった。その一番いい例は、最後のハリウッドザコシショウに対して、いきなりオレンジカードが出されたシーン。余裕のあったハリウッドザコシショウを一気に窮地に追いやることで番組のクライマックスを盛り上げたいという意図が丸出し。これはむしろ興ざめだ。

サッカーのワールドカップがビデオ判定を導入して面白さが増したのと同じように、ドキュメンタルもAI判定を導入した方が面白くなりそう。ドラマも生まれる気がする。特にスタート直後の審査が甘い。序盤から容赦なくカードを出していった方が面白くなる気がする。もしAIが、一瞬の笑いも見逃さずにカードを提示しまくった結果、すぐに優勝者が決まってしまってもいい。何よりも避けるべきは冗長になること。AIのシビアな裁定によって、時間にすると2回分の撮れ高しかあげられなかったとしたら、それはむしろ、神回の誕生かもしれない。

西部湯瓜Twitter@save_yuri

飲食店ドタキャン問題はLINE連携の評価システムで解決できる

近頃、飲食店の無断キャンセルやドタキャン問題がクローズアップされている。ドタキャンする客側に何のペナルティもない現在の状況は明らかによくない。しかし、これはLINEと連携した評価システムがあれば簡単に解決しそうだ。

例えば、A氏とB氏の2人でレストランを予約する場合。


店をチョイスしたA氏は店をLINE上で予約する。

予約人数を「2人」と選んだ時点で、同行者にも予約のURLを送信する画面に遷移。

A氏はB氏にURLを送り、B氏が該当のURLから手続きすることで、2人の予約が完全に完了する。

食事後、店側はA氏とB氏両方について評価する。※評価はLINEアカウントに紐づく。

重要なのはドタキャンをする場合だ。


食事当日、B氏の都合でドタキャンをすることに。

B氏がLINE上で予約のキャンセルを行う。

店側はB氏にだけ低評価をつける。※A氏には評価自体がされない。

ポイントはA氏の評価は据え置かれることにある。正直者がバカを見てはいけない。例えば、6人の予約をして、直前に5人に減った場合でも、ドタキャン歴がつくのは、欠席者1人であるべきだ。低評価リスクまで幹事が背負うのは、明らかに間違っているし、トラブルの元になりかねない。

こうした全員個別に評価するシステムがあれば、客側はより慎重に予約するようになるし、安易なドタキャンも減る。飲食店は今よりずっと楽になるはずだ。

先日、LINE上で飲食店を予約する新サービス「ビスポ」に、本田圭佑が出資するというニュースがあった。店と客の相互評価システムを導入するらしいが、参加者全員を個別に評価するシステムであってほしい。 

西部湯瓜Twitter@save_yuri