西部湯瓜のshow論文

思考のログがメイン。他にも色々。

ハイレゾのその先へ―音楽ビジネス論

音楽が売れない。誰もCDを買わない。ミュージシャンがシングルCDを出さなくなった。今はそんなCD不況と呼べる時代だ。ファッション業界でジーンズのことをデニムと言い直したように、音楽業界も、シングルCDのことをE.P.と謳ってお洒落感を足してみたりしたが、小手先の浅知恵はシビアなリスナーにたやすく見透かされてしまった。2曲入り1000円の相場は見るも無残に崩壊し、インターネットの台頭によって事実上は無料で曲が聴き放題になってしまった。

しかし、劇的な変化は常にチャンスでもある。今、色んな形態の音楽ビジネスが生まつつある。その一つが、音楽アプリだ。AWAやLINE MUSIC、そして大本命Apple Music。また、音楽を楽に届けるビジネスではなく、音楽をより楽しむためのビジネスも出てきた。例えば、ハイレゾ音源だ。ハイレゾ音源とはざっくり言えば、とにかく高音質な音源のこと。その音源を聴くためのハイレゾオーディオが売れ始めている。調査によるとハイレゾオーディオ機器市場は2年で4倍に拡大しているそうだ。(GfK Japan調査、2015年07月31日)

先日、お笑い番組を観ていたら、芸人の千原ジュニアがエピソードトークをしていた。それを聞いて、一つ音楽ビジネスを閃いたので、今日はそのことについて書きたい。

以下がインスピレーションを受けたシーンの文字起こしである。

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オーディオマニアのね人の家に行ったわけ。ロケで。ほんなら足を踏み入れてはいけないと言われてる類の趣味やねんて。本人がおっしゃるには。っていうのは目に見えへんもんやから。それにお金をかけるわけやん?その人がおっしゃるには、これは突き詰めて行ったらオカルトやねんて。でえ、家のコンセントから変えんねんて。良いオーディオルーム作ろうと思ったら。ほんなら、病院のコンセントが一番強いねんて。やから、それにするとか。ほな今度は、電線の太さが太い方がええから、電力会社に言って、太いの引いてもらうとか。でえ、1月1日の夜が一番音が綺麗やって言うねん。周りが誰も電気を使うてないから。世間が電気を使ってない時が、音が一番綺麗やと。ほな、だんだん東京電力より関西電力の方が音ええらしいぞ、とか。いやいや九州電力が1番やぞ、とか。そんなことになっていくねんて。ほんなら、ほんまに気に入ったオーディオルーム作ろうと思ったら、ど田舎に土地買ってとか、もう家作りから始まる、みたいな。
でえ、そこのオーディオルーム行かしてもらったら、4隅にかまぼこ板みたいなんが貼ってあんねん。「あれ何ですか?」言うたら、なんか「角に音が貯まるから、貯まらんように」とか。でえ、大きい玉のすだれがズラーって吊るしてあって、「これ何ですか」言うたら、「向こうから音来る。こっちから音来る。壁と壁やとこっちで喧嘩する」て言うねんけど「丸いと分散されるから音と音がぶつかり合わない。だから、いいんです」。「まじですかそれ」って。じゃあ俺が普段聴いてるCD、このオーディオルームで聴いてみましょうって言って、聴いたら、俺素人やで?もう全っ然音ちゃうねん。俺でも分かる。「っえ、まったく違いますよ。こんな音鳴ってたんですか、このCD」みたいな。「これもう新曲ですやん」みたいな。じゃあ、昔のビートルズのレコード聴いてみましょうってなって、聴いたら、もちろん何回も聴いたことある曲ですけど、リンゴ・スターのバスドラの「ドン」っていう音の前に「カチャ」「ドン」みたいな。キックのペダルの音まで聴こえてくる。すごいよ。あ、これが本来の姿なんやっていう。
千原ジュニアテレビ東京『ざっくりハイタッチ』2015年8月22日放送)

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千原ジュニアの体験が羨ましいと思った。そう思う人はたぶん多いだろう。僕だって体験してみたい。それなら、そんな音楽リスナーを顧客として、こだわりのオーディオルームをそのまま喫茶店にしてみてはどうだろう?自分の好きな曲を、本領が発揮された最高の音で聴ける音楽喫茶。好きなCDを持ち込めば店内で最高の音で流してくれる。順番待ちの間は、他の先客が持ち込んだ曲をコーヒーでも飲みながら聴けばいい。そこで知らなかった名曲に出会えるかもしれない。そこが例えばバーなら、リスナー同士で音楽を語り合う社交場にもなるかもしれない。たまには、特定のバンドの曲だけを流すイベントでも打てば、バンドTシャツを来たファンが集まることは想像に容易い。バンドメンバーがそこでトークショーするのも面白い。例えば高齢になり、もうライブ活動が出来なくなってしまったバンドでも、最高音質の音源を皆んなで聴いて、過去を振り返りながら語り合うことは、十分に可能だ。

高価なハイレゾオーディオ機器を買うよりも、最高の音を聴けるお店。ある意味でライブよりもずっと上質な音楽観賞体験になるだろう。通い詰める音楽ファンは多いだろうと思う。そして、流行ると思う。

いつかそんなお店が出来てほしい。

 

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